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今頃ナンだが『ラストショウ』

まだ話題が新鮮なウチに『ラストショウ』の感想を書こうと思っていたのに、立秋が過ぎお盆も過ぎて、気が付いたら3週間もたってた。鮮度落ちすぎ。

引越しから一ヶ月。ようやく生活が落ち着いてきた。
そしたら、引越しのとき、部屋に適当に置いたあれこれが気になってしょうがない。
なんとか効率よく収納できる方法はないものか。
安くて雰囲気のいい家具や雑貨が欲しい!
いったん考え出すと頭の中がそればっかりになってしまって、お盆は雑貨店と、ショッピングサイト巡りであっという間に過ぎてしまった。
昨日ぐらいからようやくインテリア熱も治まり、文章を書く気力回復というところ。

で、『LAST SHOW ラストショウ』
作・演出:長塚圭史 出演:風間杜夫/永作博美/北村有起哉/市川しんぺー/古田新太
ストーリーなどはこちらへ。
7月29、30、31日シアタードラマシティ。久しぶりに3日連続での観劇。
ホントはもっと間隔を空けて観るのが理想だけど、公演が4日間しかないのでしょうがない。大阪に来てくれただけでも感謝しなくちゃ。
こらえ性がないものだから、まっさらな状態で観るべきだとわかっていても、我慢できずにさんざんレビューを読んでしまってから挑んだ私にとっての初日。
ストーリーも、クライマックスのサプライズも知った上での観劇だった。
そのうえこの日は体調が悪くて、物語にのめりこむと更に悪化しそうな気がしたので、気持ちが入らないように意識して引いて観ていた。
そのせいか、「泣けた!」「感動した!」「凄い作品!」などなど賞賛の言葉の数々に、過度な期待をしていたつもりはないんだけど、観た後の感覚は、思っていたよりドライだった。
すごく面白い芝居だったけど、内容のわりには意外と情緒に訴えてこない。
最初に思ったのは「感想の難しい作品だな」ということ。
何を言っても「でも…」と後に続くような感じ。
「面白かった」でも「辛かった」
「腹が立った」でも「笑った」
「暴力的」だけど「道徳的」
プラスとマイナスの感情が交じり合い、一言では表現できない。
ただ、その感情の波がもっとドドーンと激しく押し寄せるかと思ってたんだけど、私の場合は、けっこう淡々とした気持ちで劇場を出た。
予備知識のない状態で観たら、もっと感想は違っていたのだと思う。

2回目は体調回復!
前日はどこかウワの空で観ていたけれど、この日はセリフがどんどん入ってくる。
初日も面白い!とは思った。でも、もっと面白く感じる。
3回目は2回目より更に面白かった。
千秋楽ということもあって、心なしか私の気持ちも高揚していたよう。
30分過ぎたあたりからの疾走感はちょっと凄いよね。
今まで長塚作品は「長い」という印象があった。
もともとお客さんの興味を引き付ける物語作りの上手い作家だから(単に私好みなだけかも)、長くてもそれなりに面白くは見せるんだけど、短ければもっと作品が締まるのにな。と、思うことが多かった。
でも、今回は2時間息つくヒマなく最後まで見せきる。
役者さんも適材適所。
記者会見で風間さんが「このメンバーだから面白くないわけがない」と言ってたけれど、その通り。
上手い役者を観る悦び、そして、魅力的な役者たちの競演を観る悦びを十二分に味わえて幸せ~。
古田さんが犬を食っちゃうのは最初はさすがに正視できなかったけど、全体的にスタイリッシュで乾いた演出だったと思う。
だから、グロテスクな内容のわりには、不快感はなかった。
それに、私は風間さんがイキイキと古田さんや中山さんと絡んでる姿を見ているだけでやたらと嬉しかったんだよねぇ。
その嬉しさのあまり、恐怖感や不快感がどこかに飛んでいってしまったかもしれない。

グロテスクといっても、単なる残虐な趣味や嗜好ではなくて、倫理に反するひどい物事の裏にはそれぞれの切実さがあり、救いが用意されていた。
その「救い」の部分が時に甘くなってしまうのが、長塚さんの優しさであり、もしかしたら作品の弱さにつながっているのかもしれないなあと思う。
今回も、最後の風間さんの独白は、底なしの寂しさを感じさせて胸に迫るものがあった。
ただ、狂気に満ちた一種の怪物であった風間さん演じる勝哉が、弱くて孤独な一人の中年男に戻るきっかけとなる孫(水子)のセリフがあまりにも当たり前で、勝哉の変化がいまひとつしっくりと来なかった。
いや、当たり前って大事だと思う。当たり前で真っ当なことが、忘れられがちな今の世の中では特に。
それはわかるんだけど、「どこかで何度も聞いたようなセリフ」と思ってしまうと、気持ちが萎えてしまうのも確か。
でも、大事な部分のセリフが直球すぎるほど直球であることは、長塚さんもわかって書いてるんだろうなあ。
だからこそ、水子の市川しんぺー氏という、反則ぎりぎりの見事な隠し球を用意したのかと。
まったく世の中に毒されていない胎児だからこそ言える「マトモすぎるぐらいマトモ」なセリフだったのかも。

しかし、あの胎児の場面は力技だったなあ。
登場シーンのインパクトと退場の鮮やかさにはやられた!
でも、ものすごい馬鹿力の猫だましをくらったような気もする(^。^)
シュールに逃げたとは思わないけど、真正面からリアルにあの親子の行く末を描いたらどうなったのか、そっちも観てみたい。
それから、最初に言われていたような「息子の嫁を徐々にたぶらかすお父さん」の風間さんも観てみたいなあ。
冷静に大人の色気で嫁を篭絡する風間さん・・・たまらんシチュエーションだ(*^^*)

芝居の中で効果的に使われていたかどうかはともかく、高速増殖炉は、核の時代に生きる私たちが潜在的に持っている不安の象徴なのかと思った。
外側も内側からも崩壊してしまうのではないかという、現在の日本人の恐怖感がよく出ている舞台だったと思う。
ラストの爆発は破滅を意味していたのかな?
でも不思議と私には後味の悪さは感じなかった。現実感がなかったせいかもしれない。
死んだ父を食べるという行為も、リアルに想像すると、とんでもなくイヤな風景だ{{ (>_<) }}
でも、マヨネーズをかける息子の姿が荘厳な宗教的な儀式(埋葬)のようにも見えて、美しいとさえ思ってしまった。
父を食べることによって父の憎悪を受け入れ、その弱さを愛し、乗り越えていくのだと感じられたから。(考えてみると「はたらくおとこ」のラストも似たテイストだったなあ)
それにしても、いくらマヨネーズ好きの風間さんでも、まさか舞台の上でマヨネーズをかけられることになるなんて想像もしていなかっただろうね(^。^)

今になって『ラストショウ』という芝居は、残酷で優しい現代のおとぎ話だったのだと思う。
そう思うと、なんだか、スっと腑に落ちる。
まあ現実的に受け止めると重すぎるということもあるんだけど、おとぎ話だって当時の現実を反映したものだしね。かなり残酷な話も多い。
『ラストショウ』のことを考えると、なぜか『ヘンゼルとグレーテル』が頭に浮かぶ今日この頃。

風間さんのことは舞台BBSに書いたので、ここでは作品の感想を中心に。
でも、思いつくまま書いたから、観ていない人にとってはどんな芝居だったのかサッパリわからないだろうなあ。不親切ですまん。

8月のあたまにシアターBRAVA!で『キレイ~神様と待ち合わせした女』を観た。
他に映画も見たんだけど、今日は長くなったのでまた次回。
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プロフィール

takkin

  • Author:takkin
  • 別名いるか(歌手のイルカから。昔似ていたので)
    RICOと名乗るときもあり。
    大阪在住の映画・演劇好き。
    高校時代から風間杜夫氏の大ファン。
    非公認ファンサイト「風の杜」の管理人です。
    射手座でO型。動物占いは狼。
    自画像、綺麗に描きすぎ(^^;)反省。
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